君とあたしのわずかな距離を、秒速十メートルで駆け抜ける
亮太から唯が好きだと聞かされたとき、ショックだった半面「ああ……リョータって人を見る目あるなあ」って思った。
だから、この恋を諦めようと思ったのは、亮太の好きになった相手が唯だからという理由が大きい。
唯じゃなかったら、こんなに苦しくならなかったかもしれない。
唯じゃなかったら、
唯じゃなかったら、
亮太の好きな相手が、唯じゃ、なかったら……。
ねぇ、唯。あなたは気づいてる?
亮太の気持ちに……。