クールな御曹司の甘いお仕置き
京介のアドバイスに顔をしかめたものの、特に反論はしなかった。

京介と別れの挨拶をすると、俺はタクシーで自宅マンションに向かう。

「う……ん、優……くん……の……馬鹿、……怒りん棒……鬼……女ったらし……」

俺の夢でも見ているのか、美緒が涙を流しながら悪態をつく。

ずいぶんな言われよう。

「女ったらし……ね。お前の世話に忙しくて、女を口説く暇なんてなかったよ」

美緒の涙をそっと拭いながら俺はぼやいた。

だが、怒ってはいない。

静かな海のように穏やかな気持ちで……、美緒が自分の腕に中にいるとホッとする。
< 107 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop