クールな御曹司の甘いお仕置き
十匹ほどすくうといい加減飽きてきて、わざと大きな出目金を狙ってポイに穴を開けた。

「優君凄すぎ。実は特訓してたんじゃない?」

美緒が楽しそうに俺をからかう。

「誰がするか。もう一回勝負するか?」

いつもなら「うん」と同意するはずなのに今日の美緒は違った。

「ううん、また次のお祭りまで取っておく。優君、そろそろデザート食べたいなあ」

美緒が上目遣いに俺を見る。

どうやら甘い物の誘惑に勝てなかったらしい。

「はいはい。何食べるんだ?」

「やっぱりリンゴ飴でしょ」

「いつも全部食べきれないくせに」

美緒の残したリンゴ飴を毎回俺が食べて処理して、俺達の祭りの時間は終る。

「うっ……じゃあ、鈴カステラにしようかな」
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