クールな御曹司の甘いお仕置き
優君は手を合わせると、まず箸を持ってお味噌汁を啜った。

「……うちの味」

ハッと優君がじっとお味噌汁を見つめ、驚いた表情を見せる。

「おばさんが教えてくれたんだもん。当然だよ」

私は得意気に答えた。

次に優君は玉子焼きを口に運ぶ。

「……これもお袋と同じ味。美味い」

「優君は甘い玉子焼きが好きだもんね。これでも一生懸命おばさんに習ったんだよ」

砂糖の量だって、おばさんの味に近づけるために試行錯誤したんだからね。

「人間誰しもひとつくらい取り柄はあるんだな」

玉子焼きを咀嚼しながら優君がしみじみと呟く。

「……褒められてる気がしないんだけど」

私がジト目で優君を睨むと、彼は柔らかな笑みを浮かべて言った。
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