クールな御曹司の甘いお仕置き
食欲はなくてウーロン茶だけ頼むと、二階の窓際の席に気の抜けた状態で腰かける。

バックの中に入れておいたスマホがブルブルと鳴っていたが、無気力状態の私はずっとスマホを放置した。

ただボーッと窓の外を眺める。

何時間もずっと、空が明るくなるまで……。

結局一睡も出来ないまま、トイレで着替えをして会社に向かう。

会社に着いたのは始業時間ギリギリだった。

優君が私に気づいて近づいてくる。

「お前、昨日どこに行って……‼」

「総務に行かなきゃ」

優君の言葉を遮り、走って逃げる。

彼の質問には答えたくなかったし、彼の言葉を聞きたくなかった。

優君の口から「朝井さんと付き合ってる」なんて言葉は聞きたくない。
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