【短ホラー】殺人チャンネル
柳の木が見えた。
その下の石も、
ひなびた橋も、
全部、私たちが“殺人チャンネル”の話をしながら通った道にあるそれだった。
「サキ……もう止めよう…消そうリモコン……」
「もうやった……」
ほとんど泣き声でサキが答える。
「もうやった…って……?」
「消えないの……。ボタン、押してもテレビ……消えない!!」
「そんなっ!!」
私は固まるサキの手からリモコンをむしりとってボタンを押した。
「……うそ…い…や…」
いくら押しても画面になんの変わりもない……
「あ……ア…ヤ…」
サキの見つめる画面で、飛び出し注意と書かれた服をきた少年が、不気味に、笑っていた。
それを左に曲がれば……アヤの家はすぐそば……
左を向いた画面のカーブミラーに、鈍く光る刃物を持ち黒い布をまとった男が写った。