【短ホラー】殺人チャンネル
チャイムの音と足音がやんだ。

ベタンと私が尻餅をつく音が広がった。


間に合ったの……?

私の横には何事もなかったようにテレビが佇んでいた。


最後まで……見て…ない…


安堵のため体から一気に力が抜けて私の腕はタコの足のように垂れ下がっていた。

安心と同時に先ほどの恐怖がむくむくと頭をもたげ全身に広まった。


頭の中が恐怖と安堵でぐちゃぐちゃになり訳が分からなくなっていた。

そんな私の耳にはなにも入ってこない。



この時音もなくついた電源に、私は気付くはずがなかった。

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