【短ホラー】殺人チャンネル
“殺人チャンネル”

サキの持ってきた話は、そんなふざけたB級ホラー映画みたいな名前の番組についてだった。

「殺人の瞬間を見れる番組、ねぇ……」

学校でそんな噂あったのかな。私はそういう話に特に興味はないから、殺人チャンネルについて聞いたことがなかった。


「だから、その瞬間は見たらダメなの!!」

サキは「もぉちゃんと聞いててよ」なんてぶつぶつ言いながら横断歩道のボタンを押した。

信号が青に変わる。


「最後まで見たら死ぬんだっけ?」

「そう!怖いよね!?」

私の言葉にサキは拳を強く握って私に同意を求めた。

「うーん…まあ」

煮え切らない私の返答にサキは不満そうだ。

別に私は全く信じていないわけでも怖くないわけでもない。

ただ、ありがちな怪談話だなと他人事のように考えていた。
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