【短ホラー】殺人チャンネル
「あれ?」
「え、どうしたのアヤ」
なにか携帯が寂しいと思ったら、付けていたストラップがなくなっていた。
「ストラップがない……」
サキとお揃いで買ったシルバーの星型のものだった。
鞄の中に落ちてるんじゃないかと思って探したが、それは見つからなかった。
「ごめん、サキ……」
「いいよぅ、そんなに落ち込まなくても」
うなだれる私の肩をサキは困ったように叩いた。
だってあれはサキが私に選んでくれたものなのに。
「アヤもしかしてあの時じゃない?うちの近くで電話かけてたじゃん」
サキがぱっと明るい声で言った。
そうだサキの家が見えた頃、外泊することをうちに連絡したんだ。
その時に落としたのかもしれない。
「ちょっと見てくる」
「え、でももう暗いよ?」
立ち上がった私の腕をサキがつかむのと、テレビのチャンネルがぱっと変わったのは同時だった。
いつの間にか時刻は午前2時45分。
殺人チャンネルが始まる。