【短ホラー】殺人チャンネル
画面は相変わらず暗かった。何が映っているのか見えない。

「ねぇ、なんか音しない?」


サキが私の腕をつかむ手の力を強めた。


そういえば、小さいけれどさっきからエンジン音のようなものが聞こえる。

タイヤがアスファルトに擦れるような。

「車……?」

カクカクとぎこちなくサキが頷いた。


その時、ピカッと強い光がテレビから放たれた。

「キャ!!アヤ!何!?」


見えた……

「ライト……車の……」


その画面は、暗い道路を映し出していた。


まるで闇夜に目が慣れていくように、画面の中の闇は薄まっていった。

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