【BL】流れ星に願いを。


「何それ。俺とじゃないと嫌なんだ?」
「え……そりゃ、だって毎年一緒に見てんだし…」


わかってる。
コイツにとって特別な想いがないとしても、
それでも聞きたいと思ってしまう。

だって、俺は小さいときから……


「あ、流れ星!鴻野見たか!?」


コイツのことが好きだから。


「見逃した…。」
「もー、何やってんだよ。」


もちろん俺がこんなこと思っているなんて、染下は夢にも思わないだろう。
けど、それでいいんだ。



「何か願った?」
「そんな暇なかった……。」
「そりゃ残念だな。」


知られない想いだから、今まで上手くやってこれたんだ。


「染下は何願いたかったの?」
「うーん、そう聞かれると困るなぁ……。鴻野なら何願う?」
「俺は……」



――染下の全てが欲しいです。

なんて、言ったら引かれるな。

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