ずっと好きです。(完)
「沙奈どうした?」


私の様子がおかしいことがすぐにわかったのか、玲がそう聞いて来た。


「ううん。なんでもないよ」


こんなこと恥ずかしくて言えるわけないよ。


「もしかして、離れるのが寂しいなんて思ってるか?」


玲が意地悪な顔で言った。


私は何も言えなかった。


だって、当たってるんだもん。


「何も言い返さないってことは、そう思ってたってことか?」


何も言わない私に、玲が言った。


私は、


「そうだよ!」


と威張って言った。


もう恥ずかしい。


穴があったら入りたい。


そう思ってたけど、玲が何も言い返してこないことに疑問を抱き、玲の方を向こうとしたら、


「こっち見るの禁止。」


そう言って抱きしめられた。


一瞬見えたけど、玲の顔が赤かったような気がする。


「そんな可愛いこと言うなよ。」


抱きしめたまま、玲が言った。


やっぱり照れてるんだ。


なんだか、嬉しいな。


< 61 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop