恋花


「はぁぁぁ。やっと着いたぁ。」


あたしは、窓際の風の心地よい自分の席に倒れこんだ。


「お疲れぇ。前見てみ♪」


前の席の、タッツーが声をかけてきた。

タッツーは、大谷辰朗(おおたにたつろう)と言う、クラスのリーダーみたいな感じで、みんなにとって居て当たり前で、居ないことなんて考えられないほどの人気者。


「何よ??タッツー。疲れてるときにぃ。」


「疲れてるからこそ♪もっと疲れるけど、見てみなよ♪」


訳わかんない。

前に何があるっって・・・


「じ・・・自習?!」


あたしの、声が良い具合に教室に響き渡った。



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