いつかまた逢う日まで
その夜は病院に頼んで茉莉奈の病室で泊まらせてもらった
茉莉奈のベットに座る
綺麗な茉莉奈の髪の毛に触る
「茉莉奈。俺はどんな茉莉奈でも好きだよ。幼稚園の茉莉奈、記憶を無くした後の茉莉奈も。そして今でも。」
俺が祈るのは
「記憶が戻って欲しい」
天井を見あげながらそう呟いた
それからそっと茉莉奈の唇にキスをした
「茉莉奈……っ」
何故か涙がでてくる
あんなに一緒にいたのに、茉莉奈が拐われて鈍器で頭を思いっきり打ったから……
いや、俺が一緒にいなかったから。
そうだ俺がいれば大丈夫だったのに
俺のせいで記憶をうしなった
俺ができることは
これからも傍にいること
それしかなかった
茉莉奈の記憶になろう
それ以外に答えはなかった