いつかまた逢う日まで
「想真の目、好き」


茉莉奈の両手は両方の頰を挟んでいた

その行動に胸がドキドキする

「真っ黒でなんか吸い込まれそう」


初めて茉莉奈に出会った日も言ってた

「茉莉奈に出会った日も同じ事言ってたよ?」

キョトンとした顔になっている

「あはは、記憶を無くしても私はあなたに同じ事言ってるの?じゃーきっとこの先また記憶を無くしてもいうと思うわ。想真の目は真っ黒で吸い込まれそうって。」

今日初めて見た笑顔はいつもと同じ笑顔で笑ってた

つられて俺も笑ってしまう

「茉莉奈外行こ?まだ頭の影響で歩いちゃいけないら車椅子押すよ」

俺は茉莉奈を連れて外へ出た

「病院の外ってこんなに綺麗なんだ」

「茉莉奈は昔から緑が好きだったんだよ」

「そうなのね」

それからは2人は無言だった

茉莉奈は記憶をなくしても茉莉奈は茉莉奈のままだった

それだけでも嬉しかった

< 13 / 25 >

この作品をシェア

pagetop