いつかまた逢う日まで
病室へ戻ると茉莉奈の両親がいた

そして主治医も

「茉莉奈さんも聞いてください。想真くんはでていってもらえますか。大切なはなしをしたいのですが」

なんで俺だけでていかなきゃいけないんだよ!

「俺も聞きます」

「想真にも聞かせてあげて。お願いします。お母さんもいいでしょ?」

「うん。もちろん」

「では、今回記憶を失った原因は鈍器で殴られたものによる記憶障害と見られます。それに、1度記憶を失っている経験あり、しかもその記憶も戻っていない。そうした経緯から茉莉奈さんの記憶が戻る確率は3%も満たないかと」

3%……?

しかもそれに満たないって

「なんとか治る方法はないんですか」

茉莉奈のお母さんがいう

「残念ながら……」




「大丈夫よ。」



声を上げたのは茉莉奈だった

皆で茉莉奈の方を向く

「私は必ず記憶を戻してみせる。3%も確率はあるじゃない。大丈夫だわ。私なら戻せる」

茉莉奈の目には強かった


「俺も信じる。その3%を。」




< 14 / 25 >

この作品をシェア

pagetop