りんご飴

出会い

「ひーなーたー。早くしろーちーこーくーだーよー。」

「ぅん……ぉきるよ」

毎朝幼なじみの陽菜に起こさせるのが日課である私は柊日向である。朝が苦手なあたしの為にいつも起こしに来てくれる。

「ほら、はよ。着替えんか。」

「……わかったよぉ。」

なぜこんなに朝は眠たくなるのだろうか。
一生夜でいいよ。なんて常に考えてしまう私だ。

着替えて一階に降りると母が鼻歌を歌って朝ご飯を用意してる。

「日向おはよう。あんたって子は……。ごめんね陽菜ちゃん毎回」

お母さんが呆れた感じに陽菜に謝ってる。
毎度のことだ。お母さんの説教を受ける前に早くご飯を食べちゃおう。

「日向！もう時間ないよ！朝ご飯食べる余裕ないでしょ。」

陽菜が今日はいつもより少し焦り気味に言った。なんてったって今日は陽菜が気になっている先輩に告白するのだから。いつもより髪型も化粧も凝っている。

「はいはい、わかったよ〜行こ。じゃあ、お母さん行ってくるね。」

あたしは食べ途中のパンを皿に置き渋々いつもより早めに行った。