小さな国のお姫様
「キャメル様、落ち着いて下さい」
「いいえ、ロゼ。落ち着けません。あの方たちは私のみ必要なの!ロゼは逃がしてくれてもいいじゃない!」
王女らしからぬ大きな声で叫ぶ
ブロンドが綺麗になびく長い髪
青い瞳、小さな顔。誰がみても美女と歌う彼女は貧困国の第一王女。
キャメル クリスチアーノ
ロゼと呼ばれたのは彼女付のメイド
赤い髪、青い瞳。すこしばかり顔は整っているがメイドのためピッチリ髪を結わえている。
「良いのです、私が望んで残りました」
「だめよ、ロゼ。今からでも遅くないわ」
キャメルは扉の外に見張りの兵がいるのを薄々感じていた。そして、懐から小さな鍵を出す
「これを使いなさい。そして城に関わったことすべてを忘れるの」
「いけません、姫様!」
「あなたなら出来る。そこから城を出るのは朝飯前でしょう?」
優しく笑ったキャメルは暖炉をチラリとみる。
そこがこの部屋の隠し通路
「ですが、姫様の身が!」
「大丈夫、私は。大丈夫」