不器用な二人はあまのじゃくの関係
キーンコーンカーンコーン
茉莉愛ちゃんたちに班を変わってもらったあとすぐ教室にもどった私たちは話をしていた。
「凜ちゃんが言ってた男の子の梶原くんって私の前の席の人だよね」
「あーそーかもね!」
「なんかクールでそっけないけど初めちゃんと挨拶してくれたからいい人そうだよね
よかったぁ」
「杏奈はほんっと断るの苦手なんだから」
「ごめんなさぁい」
「まぁ私がいるから今は大丈夫だけど2年生になってクラス変わったら助けるのタイミング遅くなるんだからいつでも何かあったら報告するんだよ?」
「わかってるよ!ありがとう」
ガラガラガラ
あ、先生きた。
「杏奈!」
「うん!戻るね♪また来るからね!」
「はじめるぞー」
「きりーつ。おねがいしまぁす〜」
「今日はこのHRで終わりだから掃除してから帰ってください。掃除場所の配置はこの紙に書いてあるから貼っておくぞー。」
先生はそう言ってサブの黒板に磁石でくっつけた。
「明日からはオリエンテーションが始まるから各自プリントを見て用意するように。遠足は来週の火曜日にあるから後1週間くらい後だから覚えておくように。それじゃあ帰るぞ」
「きりーつ、れーい」
「「さよーならー」」
「優梨!掃除一緒!」
「おっけー」
「やったね!一緒だね!うれしいね!」
私はそっこーで掃除の場所割りをみて優梨に報告する。
が、優梨はいつものように塩対応。
「もっと喜んでよー!」
私がむぅーっとほっぺをふくらます
「あんたと一緒なんていつものことでしょ」
「まぁそうだけどね(笑)」
ふふふ。優梨ってば強がっちゃって、かわいいなぁ。
掃除が終わり、みんなバラバラに帰っていく。
「優梨!帰ろー?」
「あーごめん。バスケ部見てきたいから今日は遥太と帰って〜」
「えー。わかったー!」
でも遥太、部活見に行くかなぁ…
とりあえず遥太のクラスにいこーっと
「優梨、また明日ね!」
「ばいばーい」
ふぅー
クラスが隣でよかった〜
近い!(笑)
「よう……」
モヤッ
遥太、おもしろいもんね。
そこには男女かまわずたくさんの人が遥太のまわりを囲んでいた。
私がいなくても楽しめるんじゃん。
私がいなくても遥太ひとりでも充実してるんじゃん。
ズキンッ
遥太には私が必要だなんて、遥太にとって私は少し特別だなんて…全然ちがうじゃない。
幼なじみはひとつも特別なんかじゃなかった。
さっきは私のことを探してくれていたって優梨は言ってたけど別に心配したとか会いたいとか思ったからじゃなかったんだ。
期待した私が馬鹿だった。
ジワッ
あれ。涙なんて…溢れて仕方ない。
帰ろう。
それから私は猛ダッシュで家に帰って吸い込まれるようにベッドにもぐった。