不器用な二人はあまのじゃくの関係
その後私たちはバスに乗って目的地まで向かう。

「もう、朝から恥ずかしすぎるよぉ」

「もう言っちゃったもんはしょうがないから、ね!」

「ね!の意味がわからないからー」

「お菓子食べなさい、ほれ」

「いただきます!!!ってあぁ!!!」

「っ!もう!声大きいから!」

「お菓子、お菓子忘れた……」

「そんな絶望的な顔しないの。私のあげるから」

「うん、うん、うん、モグモグモグ」

「あんた、あげるとは言ったけど勝手にお菓子の袋開けないの。」

「ごめんしゃい」


と、まぁお菓子を食べ続けて目的地に着きました。目的地は遊園地。はぁー!楽しみ!!!

「川井さん、おはよう」

「ふぇっ」

バスから降りてふぅーってしてたらいきなり声をかけられて変な声が出ちゃった。って梶原くん…!

「あ、うん、あの、おはよう!」

「うん、おはよう。今日は楽しもうね」

「あ、うん。」

あれ?朝のやつ聞こえてなかったのかな?普通だ。あ、もしかして、

「梶原くんも遅刻したんだー?」

「え、してないよ。いつも通りの時間に学校に着いたよ。」

聞かれてるじゃんかよー!!!でも、普通にしてくれてるんだから何もテンパることないよね!うん!

「じゃあ、行こっか!」

「さっきの川井さん、すごく声大きかったよ」

「えぇ!?」

もしかして朝のことぶち込まれてる?今!?な、なんて答えればいいんだろー!!

私がモゾモゾして戸惑っていると、

「バスであんなに大きい声で叫ぶ人は初めてだよ。でもおもしろかったよ」

梶原くんはそう言って、フッと笑った。

朝のことじゃなかった。よかったぁ……って!梶原くん私のことバカにしてるよね!?

「もう、バカにしすぎだよ!」

「え?してないよ。フハハ」

「してる!ぜーったいしてる!!!もうずっと笑ってんじゃん!むぅー!!怒った!」

「ごめんごめん、許して」

あれ、なんか、普通に話せてる。クールでかっこいいイメージだったから昨日はうまく話せなかったけど、なんか普通。話し方は冷静だけどすごく普通ですごくいい人だ。

「えへへ、行こっ!」

「あ、うん」
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