不器用な二人はあまのじゃくの関係
時は過ぎ、いよいよ夏祭りの日。
実は今日まで忘れていたことがひとつある。
え?練習試合?
そんなの覚えてるよ。しっかりね。
実は葉月のこと。
話があるって言われた日から葉月は俺のところに来なくなった。
そのぶん杏奈と話せていたからよかったのだが、そのせいですっかり忘れていたのだ。
「気まづいな。」
なんてつぶやきながら朝のアップを軽くこなす。
せっかくの練習試合だし、葉月のことは忘れていいプレイをすることだけに集中しよう。
(今までも忘れていたくせに。)
俺の試合内容は結構調子いい。
ドリブルもいつもよりうまくいくし、なによりシュートを打つ確率がいつもより高い。そしてしっかり決められている。
杏奈と花火見るお楽しみがこの後待っているからなのだろう。
あぁ、楽しみだ。
機嫌がいい俺は最高に調子よく練習試合をこなしていった。