不器用な二人はあまのじゃくの関係
「ふぅ」
練習試合が終わり、各高校が自分の片付けと会場の片付けをし始める。
俺も少し水分補給をして会場の片付けにとりかかる。
「遥太、今日めっちゃ調子よかったじゃん!なんかいいことでもあったのかー?」
「そんなんじゃないっすよ!」
部活でいつもお世話になっている3年の先輩に褒められて嬉しいけど図星なことを言われて少し焦る。
杏奈の顔が頭に浮かんで口元が緩む。
バチッ
にやけ顔で前を向き直すとちょうど目線の先に葉月がいて目が合う。
バッと目をそらす葉月にまわりの女子が集まってなにかを話しているようだ。
ちなみに優梨はそこにはいない。
大人な優梨は1軍の先輩たちと話している方が楽しいらしい。
別に好きになるのは気にしないらしいが、部活中もきゃーきゃーしている葉月たちが嫌いだとはっきり言っていた。
オブラートに包むこともなくこの間は本人たちに直接言っていたし。
男気っていうか、優梨はときどき本当にかっこいい。