不器用な二人はあまのじゃくの関係
佐伯さんとの約束の日になり、俺は待ち合わせ場所の時計台の下に来ている。
楽しみすぎて眠れなかったくせに朝は早く起きすぎた。
そのため、待ち合わせ時間より20分ほどはやく着いてしまった。
変に思われないように佐伯さんが来たら「今来たところ」っていう設定にしよう。
しばらく待っていると、佐伯さんが来た。
時間ぴったりだ。
時間ぴったりなのはしっかり者なんだと思うが、少し悲しくなる。
俺は楽しみすぎて早くついたのに彼女はぴったりということはそこまで楽しみにしていなかったということかもしれないからだ。
「おまたせ。どこに行くの?」
「あぁ、こっちだよ」
悲しんでいる暇も与えない佐伯さん。
少し凹む。