社長令嬢のヒミツの恋
「忙しいなんて、ぜんぜん...」
お兄様は、ただ...。
「そういえば、江坂くんって普段ここに、モールに来るの?」
「いや、まあ用事があるときだけだけど」
「いいなあ、羨ましい」
「そうか?」
「うん、ほんとうは私、ここに1人で来てはいけないの」
きょう、理由がわかった気がする。
「まあ、仕方ねぇよ。
今度からは俺呼べよ。お前の親友...なんだっけが来れないときとか」
ふふっ「浅見 麗華 だよ。 それはすごく助かる! 麗華とはあまり来れないから」
「じゃあ連絡先交換するか?」
「えっ?ナンパ...」
「だから知り合いはナンパじゃねぇって!!」
爆笑する江坂くんにつられて私も声を上げて笑った。
久しぶりにこんなに笑った気がするのは、きのせいかな?
「はい、私のメールアドレス」
「ん、俺が入力してメールするよ」
「うん、きょうは本当にありがとう。
また月曜日に学校で」
笑顔で別れると、黒さんに電話して迎えに来てもらった。
久しぶりに楽しい1日を過ごした気がした...。