社長令嬢のヒミツの恋
それだけで嬉しくて、涙が出そうで。
でも、今ここで泣くわけにはいかない。
「分かったらさっさと失せろ」
低く、冷たい声で挑発すると、2人の男の人は慌てて走って逃げてしまった。
「あの、江坂くんありが「お前さあ」
ジッと見つめられ、鼓動は早まるいっぽう。
「やっぱバカだよな?」
「すいま、せん。今のはナンパ、ですかぁ...?」
ぷっ「あはははっ!お前、こんな事されてとぼけてるのか?」
「とぼけてなんかっ」
「んな事分かってるよ。
ナンパじゃねーよ、バーカ」
久しぶりにみた江坂くんの笑顔に安心したのか、ほっぺを冷たいものが垂れた。
「っ...怖かったよう...江坂くんありがどう」
「お嬢様らしくないですよ?泣き崩れるなんて」
クスクス笑う江坂くんは優しく頭と背中を撫でてくれた。
「わかっでるけどっ、怖かった...」