社長令嬢のヒミツの恋
「好きなんだから、仕方ないだろ」
「っ!!!」
低くて、甘い声。
人前だって、分かってるのにさっきから江坂くんの言葉に舞い上がってばかり。
「るーいっ、もうそろそろ先生来ちゃうよ?
俺はもう帰るね。麗華、またお昼ね」
「お昼って、どういうこと?」
「きょう俺らと食べんだろ?」
江坂くんの声に、振り向いた。
「「あっ」」
「んっ!?」
佐伯くんと麗華の声が揃って、クラスのビックリする声も聞こえた。
「っ、片寄、バカ!」
「ごめっ、だって振り向いたらっ...」
はあ〜...「まあ、俺は別に。嬉しかったからいいんだけど?」
小声でそう言われて、顔の熱が上がるのを感じる。
ニヤリとして、「俺からしてやろうか?」
そうまた小声で耳に吐いてきた。
「いっ、いいです..!席に戻ってください!」
慌てて彼をすわらせて、自分の顔に熱を必死に覚まそうとした。
初めてキスを、こんな形でするなんて思ってもみなかった。