社長令嬢のヒミツの恋
車がとまると、黒さんは外に出て私の隣のドアを開けてくれた。
「おはよう、江坂くん」
「はよ。ごめんな、入れてもらっちゃって?」
「ううん、一緒に行きたかったから...」
「ばっ、んな事普通にゆうなよ」
中に入ると小さい声でそう言ってきた。
「だって、ほんとうの事だもん」
「なあ、これってなんかあるって言ってたけどほんとうなのか?」
江坂くんの言葉に頷いた。
「麗華と、佐伯くんをくっつけるらしい」
「らしいって、お前が企画したんじゃねーのか?」
「えっ?違うよ、麗華がもっと仲良くなりたいって言ってて」
誘ってくれたの、と付け足すとふうん、と納得してくれたようだ。
「でもあいつらもうくっついてんじゃなかったのかよ?」
「えっ、そうなの!?」
「いや、事実は聞いてないけど、そうっぽくね?」
「うーん、わたしは気づかなかった」
「はあ?あんなバレバレなのに...あきらかに好き同士じゃん」
そうかな? あんまりわかんないや。