社長令嬢のヒミツの恋
「俺が行きたいとこ、行っていいか?」
「うん、いいよ?」
手を繋いで、堂々と歩ける。
それがすごく嬉しかった。学校ではこんなことできないもんね。
「ここ」
「え.....江坂くん、正気?」
「正気だけど?」
ごくっ「お化け屋敷ってさあ、怖いよね?」
「んー、ジェットコースターよりは怖ねーじゃん?」
「江坂くん、やっぱりやめない?」
「次のお客様、どうぞ!」
「俺らの番きちゃったけど?」
こんな時に空いてるなんて...!
自分を恨んでも恨みきれないよ...。
仕方なく足を踏み入れると、そこは真っ暗で前もやっと見える程度。
「江坂くん....」
怖くて、手を握ると江坂くんも握り返してくれて少し勇気が出てきた。
「ひゃあっ!」
とビックリしたのはただの鏡だったり、くだらないものばかり。
まだ人は誰もいる気配がなかった。
「うう...っ、なんでこんな暗いんだろ?」
「片寄、やっぱ辞退するか?おまえ怖そうだそう俺が悪かった」
「ううん、が、頑張る!」
初めてのお化け屋敷だし、江坂くんと一緒なら頑張れる気がした。