社長令嬢のヒミツの恋
「あれ?」
「ないな。確かにこっちだったんだけど...」
「このお化け屋敷、迷路みたいになってるから違う方向に行っちゃったのかも」
「これって、結構緊急事態じゃね?」
「ザザッ....ザッ.....中にいるお客様、聞こえますでしょうか?」
「スピーカーが聞こえるようになった!」
「申し訳ありませんが、ゴールまで進んでいただいてそこから救助いたしますので」
「さっきの所かな?行こう、江坂くん!」
......
「あれ、ゴールってどこ?」
さっき戻ったところに行くけど誰もいる気配がしなかった。
「江坂くん....」
「大丈夫だって」
ギュッと、体ごと抱きしめられて、心拍数があがる。
背中に手をゆっくりと回すと、抱きしめてくる力が強くなった。
「この前は、ごめんな」
「この前?」