今のわたしとさようなら
耳鼻科の少し甘い感じの匂い。
わたしの嫌いな匂い。

「永野彩莉さーん。待合室にどうぞ。」
顔見知りの看護婦さんだ。
この人まだ居たんだ。
わたしが最後に耳鼻科に行ったのは小学3年生頃だったかな。

そんなことを考えながら診断をうける。
でも何か雰囲気が違う。
なんだろう。
レントゲンを撮ることになったり人が混んでるわけでもないのにいつも以上に待ったり。

いつもとは違う少し重い空気を感じる。
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