かわいい
「でもさ!猫山さんと一緒になったら、あの猫山さんのお兄さんと関わることに…!」
1人の男子がその言葉を発した瞬間、男子のほとんどが凍りついた。
「そ、そうだった…。」
嫌々立候補してくれてたであろう、男子たちは挙げていた手を徐々におろし始めた。
私のお兄ちゃん、猫山猿司はこの学校で1番強いと言われている。
見た目やガタイの良さから、売られた喧嘩は必ず買い、売った側をコテンパンにするほどだ。
そんな兄を持つ私には誰も近づいては来ない。
そのため、幼馴染の瑞樹しか友達がいないのだ。
そうだよね。恐いよね。私だって恐いもの。
いつもブスって言われていじめられてるもん。事実だけど。
わざわざ手を挙げてくれてありがとうございます。
「あ、あの。私1人でも大丈夫です。…1人で文化委員…で…大丈夫です。」
これ以上目立つのは恥ずかしいという思いから、えー先生にそう告げると、えー先生は意外な言葉を放った。
「いや、えー。後ろに立候補者が…。」
え?私は慌てて後ろを振り返った。