かわいい
そんなことを考えているうちに、授業の終了を知らせるチャイムが鳴る。
今日もここでおしまい。
ばいばい、まんまるくん。私の王子様。
10分休憩が始まる。
まってましたと言わんばかりに、
親友の犬村瑞樹がやって来た。
男の子みたいな名前だが、ショートボブの小さな女の子である。
「まーた、見てたでしょ!くるくんのこと!」
瑞樹が言う「くるくん」とは「まんまるくん」のことである。
「見てたよ。目の保養だよ。」
「ウッソだー。もう好きっていっちゃいなよ!ハツカならイケるよ!」
瑞樹はいつもこんなことを言う。私だったらなぜイケると思うのか…!
接点もなにもない、しかも相手はモテモテの王子様だ。そんな人に告白なんて出来るわけがない。