かわいい


「早く告白しないと、どんどん年が過ぎて、あっという間に卒業だよ。」


「それは瑞樹の言う通りだけど…。」


「くるくん、何委員に入るんだろうね。」


「まず、何組かも知らない。」


「まず、そこだよねぇ。」



うーん。と悩む瑞樹。
そして、ハッと顔が明るくなる瑞樹。



「今日の放課後、1年の校舎行くよ!!」


「え!?それ本当に言ってる!?」


「言ってる〜!!どうせ、ハツカ暇でしょ。」


「ひ、暇だけど、でもいきなりそんな…!」


「ハツカに拒否権ねぇから!!」


どこの俺様男子だよ!!!!



「決まりね!」



ニコニコした瑞樹はチャイムが鳴ると共に自分の席へと戻って行った。


そんな中、私の心臓はバクバクと音を立てていた。
額にはうっすらと汗が滲む。


ずっと、ずっと、勇気が出なくて行けなかった。

あの1年の校舎に、足を踏み入れる時が来るとは…。



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