真愛


「しん……じて…私は、ほん、と、に……」

「口で言ってもわからねぇんだ……?なら、体に教え込むしかねぇな」

そういって蓮は私を思いっきり殴った。

どれだけ殴られていたのか。

意識が途切れる寸前、蓮の手は止まった。

「おね……が…しんじ……」

「まだ言うのかよ。足りねぇの?」

「あ、いいこと思いつきましたよ」

そういって煙草に火をつける悠月。

そしてその煙草を私のそばまで持ってくる。

「右と左、どちらが良いですか?」

「え……?」

ニッコリと作り笑いで聞く悠月。

まって、まさか……

「選ぶ権利なんてないですけどね」

そして私の左肩に煙草を押し付ける。

「あ、ッツ……いやっ…ゆ、づ……!!!!」

また1つ、また1つと増えていく根性焼き。

あまりの痛さに言葉にもならず意識が途切れそうになる。

すると水をかけられ目を覚まされる。

左肩には表しようがない痛みが走る。

足音がして、だんだんとその音は私に近づいてくる。

「あ……りゅ、う……」

無表情で私の髪を鷲掴みにすると、悪魔の言葉を囁いた。

「こんな汚ぇ女、愛もクソもねぇ。とっとと失せろ、お前はいらねぇ」

“お前はいらねぇ”

その言葉が私の頭に響いた。

まるで頭を鈍器で殴られたような。

そんな感覚に陥った。

するとなぜか、笑いが込み上げてきた。




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