真愛



私の言葉なんか無視してソファに座り、自分の膝に私を座らせる。

ペットを撫でるかのように優しく私の頭を撫でる。

私はこの手がたまらなく好き。

「そうだ。いい忘れてたけど2週間後の日曜は予定空けとけよ。雪乃との外出も禁止」

「2週間後?何かあるの?」

探られないように知らない振りをする。

今バレちゃったらサプライズにならないもの。

「俺の誕生パーティーを開くんだと。その時にお前も紹介するから、必ず出席な」

「え、紹介!?待って待って、私ちゃんとした服なんて持ってないよ?パーティーに着る服なんて…」

「だから明日、ドレスの仕立てに行くぞ。明日は1日オフだからたっぷり時間はある」

「聞いてないよ〜…」

パーティー開くなんて聞いてないよ!?

しかも紹介するだなんて……。

もうすでに緊張してきた。

椿さん達に会うのでさえ緊張で倒れそうだったのに、パーティーとなるとたくさんの人の前でしょ?

失神したらどうしよう。

とりあえず、恥ずかしくないように振る舞わなきゃね。

テーブルマナーとかも勉強した方がいいのかな?

「何考えてる?」

ちょっと拗ねた顔をしながら私の顔を覗き込む尊。

「なぁに、拗ねてるの?パーティーのこと考えてただけよ」

「どうせ2週間後だ。まだまだ時間はあんだろ。それより今は俺に構え」

首筋にキスをおとす尊。

くすぐったくて思わず笑みがこぼれる。

こんな所も、やっぱり好きだな〜、なんて感じちゃうんだから重症ね?






< 100 / 174 >

この作品をシェア

pagetop