真愛
私の言葉なんか無視してソファに座り、自分の膝に私を座らせる。
ペットを撫でるかのように優しく私の頭を撫でる。
私はこの手がたまらなく好き。
「そうだ。いい忘れてたけど2週間後の日曜は予定空けとけよ。雪乃との外出も禁止」
「2週間後?何かあるの?」
探られないように知らない振りをする。
今バレちゃったらサプライズにならないもの。
「俺の誕生パーティーを開くんだと。その時にお前も紹介するから、必ず出席な」
「え、紹介!?待って待って、私ちゃんとした服なんて持ってないよ?パーティーに着る服なんて…」
「だから明日、ドレスの仕立てに行くぞ。明日は1日オフだからたっぷり時間はある」
「聞いてないよ〜…」
パーティー開くなんて聞いてないよ!?
しかも紹介するだなんて……。
もうすでに緊張してきた。
椿さん達に会うのでさえ緊張で倒れそうだったのに、パーティーとなるとたくさんの人の前でしょ?
失神したらどうしよう。
とりあえず、恥ずかしくないように振る舞わなきゃね。
テーブルマナーとかも勉強した方がいいのかな?
「何考えてる?」
ちょっと拗ねた顔をしながら私の顔を覗き込む尊。
「なぁに、拗ねてるの?パーティーのこと考えてただけよ」
「どうせ2週間後だ。まだまだ時間はあんだろ。それより今は俺に構え」
首筋にキスをおとす尊。
くすぐったくて思わず笑みがこぼれる。
こんな所も、やっぱり好きだな〜、なんて感じちゃうんだから重症ね?