真愛
最悪の再会。
コンコン
「ん……?」
「なーつん、入っていい?」
「ん、どーぞ…」
眠たい目を擦りながら起き上がる。
「あ、ごめん寝てた?」
申し訳なさそうにする雪乃。
「んーん。それでどうかした?」
「明日って空いてる?」
「空いてるも何も毎日ダラダラ過ごしてるから」
「じゃあさ、一緒に買い物行かない!?」
キラキラした笑顔でいう雪乃。
かわいいやつめ。
「いいよ。考えてみれば一緒に外出たことなかったしね」
「え、いいの!?」
「いいよ。暇だし、雪乃といるの、嫌いじゃない」
「ほんと!?もー、なーつん大好きっ!!」
そういってきつく抱き締める雪乃。
力加減できてないよ、お姉さん。
光は大嫌いだけど、雪乃の頼みだしなぁ。
たまにはいいよね。
「それで何時に出る予定?」
「11時!起こしに来るから!」
「わかったわかった」
ほんとに楽しみそうに笑う雪乃。
こんなに好いてくれる人ができるなんてね。
私の過去を知ったら…なんて言うんだろう。
それが怖くて言えてないけれど。
いつか言わなきゃいけないのはわかってる。
じゃなきゃ、私は雪乃と心から笑い合えない。