真愛
異変。



「あーーー…」

尊を仕事へ見送った後、脱力感が凄くてソファで項垂れてる私。

何でこんなに体が重いんだろう〜…。

誕生日から数週間経つけど、時計は宣言通り肌身離さず付けてくれてる。

さすがにお風呂の時は外してるけど、それ以外はつけっぱなし。

何だかそれが嬉しくて見る度に頬が緩む。

家事しなきゃな〜、なんて考えていると、突然急激な吐き気に襲われ、トイレに駆け込む。

我慢しきれずにしばらく吐き続けた。

少し落ち着いた頃にふと、思い出す。

「生理…いつきた……?」

よくよく考えてみると2ヶ月くらいはきてない。

それは尊と初めて体を重ねてからきてなくて。

もしかして、と思い検査薬を買いに行くため財布を持つ。

でも何だか1人では買いに行くのも怖くて、雪乃に連絡して事情はあとから話すから来てもらうようお願いした。

そんな急な連絡にも快く引き受けてくれるのは雪乃のいい所。

自分で自分を抱きしめながら雪乃の到着を待つ。

テレビを見たり寛ぐような余裕は今の私にはなくて。

嬉しくないわけじゃない。

けれど……。

ぐるぐると考えていると室内にチャイムの音が鳴り響く。

すぐに雪乃だと気付き、ドアを勢いよく開ける。

「もう、ちゃんとインターホンで確認してから開けなよ?」

笑いながらいう雪乃。

だって、ここに訪ねてくる人は限られてるし、呼んだのは私だし。

「それで、どうかしたの?」

首を傾げながら聞いてくる雪乃に、俯きながら答える。


「………た、かも」

「ん?なぁに?」

「…で、きた、かも」

しばらくの沈黙のあと、は!!??と大きな声をあげる。

それは廊下にも室内にも響くほどの大きな声。

そりゃビックリだよね。






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