真愛
すると私の唇に暖かな温もりが。
愛おしそうに何回も口付けた後、目を細めて優しく笑った。
その笑顔に魅入ってしまう尊の魅力。
「嬉しい。産んでくれ」
簡潔にそういった。
反対されると思ってた私は拍子抜けしてしまって。
口を開けたまま目を見開いて、きっと変な顔してるんじゃないかな。
ふっ、と尊が笑い私の頭を撫でる。
「まさか、俺が堕ろせとでも言うと思ったか?」
痛いところを突かれ、ギクリと体を揺らす。
少なからず…と小さく言うと、オデコにデコピンを食らった。
「アホか。例え他人の子であろうと俺は産めっていうな。お前の子は俺が一生をかけて愛してやる。だから、一緒に育てていこう」
そういって優しく笑った。
目を見てハッキリ言ってくれた尊につい涙がこぼれる。
産んで、いいんだ。
私もこのお腹の子も尊と離れないで済むんだ。
その安堵感からか、私の涙は数時間止まることは無かった。
「よし、明日は病院行くぞ。そんでその後本家に行って報告」
「え、仕事は…?」
「そんなの無視。休む。仕事よりもお前の体が大事だろ」
いやいや、仕事も大事なんだからね?
ため息を吐く私を見て尊は首を傾げた。
こんなパパもって、貴方も苦労するわねBabyちゃん…。