真愛
あえて何も聞かず、普通に接する。
雪乃が話すまで、何も聞かない。
きっと、重くて苦しい過去だから。
その苦しみを過去の苦しみをわかってるから。
「なーつん見て!お肉おっきいよ!」
「うん、とってもいい匂い」
「オムライスもタマゴぷるぷるだね!」
「テレビで見るレストランのオムライスにそっくりね」
周りが聞いたら親子の会話にも聞こえる。
そんな雪乃を微笑ましく眺めながらご飯を食べる。
「んーーーっ!お腹いっぱい!次はどこ行こうかな!?」
「雪乃の行きたいとこなら、どこでもいいよ」
一瞬驚いた顔をして、また頬を染めた。
「もお…なーつんのたらし!」
「たらし?そんなことしたかな」
「ばーかばーか!ほら、行こう!」
照れているのを隠して私の手を引く。
こんだけ可愛い女の子なのに何で彼氏いないんだろう。
ほんとに不思議。
たくさん遊んで日が暮れた頃。
もう帰ろうか、って話になってた。
「あ!ねぇ、最後にさプリクラとろうよ!」
「プリ、クラ?」
「え、もしかして知らないの!?」
「うん。繁華街と学校以外行ったことなかったし」
「じゃあ、私とが初めてってことかぁ…えへへ、嬉しい!」
そういって機械の中へ入る。
私も続いて入ると、証明がいっぱいあった。
機械の合図でポーズをとり、らくがきをしてプリントを待つ。
「出てきた!はい、これ半分こ!」
プリントされた写真を手渡す雪乃。