真愛
「あ、尊おはよう」
「おはようじゃねぇ!どこに行ってたんだよ!」
エントランス中に響くぐらいの声で怒鳴られた。
怒らせちゃったみたい。
「近くのスーパー。ほら」
大量の買い物袋を見せる。
長いため息をついて私を胸に閉じ込めた。
「……心配した。怒鳴って悪かった」
自分が怒られたようなしょぼんとした顔でいう。
私が怒られたのにね?
くすっと笑って見上げる。
「心配してくれてありがとう。次からはちゃんというね?」
「次からは俺もついていく」
「うーん、尊は目立つからやだなぁ」
くすくす笑うと、なんだと?って笑う。
2人でエレベーターに乗り、部屋へ帰る。
すぐさまキッチンへ行き、料理に取りかかる。
うん、よかった。
かろうじてフライパンと鍋はある。
しかも質のいい物。
使わないくせに宝の持ち腐れよ。
何にしようか迷いながら、ベーコンエッグとサラダを作ることにした。
楽だし、簡単だし。
「何作ってんだ」
「ベーコンエッグとサラダ。お腹すいたでしょ?」
聞くと、気が利くと褒められた。
あら嬉しい。
「仕事だからちょうど良かった」
「仕事?本家のお仕事?」
そう聞くと呆れた顔をされた。
「朝からはその手の仕事はできねーから昼は他の仕事してる」
ふーん、ちゃんと仕事してるんだ。
昼は仕事、夜も本家の仕事。
若頭って色々忙しいのね。
「何のお仕事してるの?」
「ん」
テレビを指さしいう。
そこには有名ブランドの特集画面。
洋服やアクセサリーにとどまらず、色んな事業を拡大してる。
最近では海外にまで人気だと有名。
「俺がこのブランド立ち上げた」
「尊が!?じゃあ社長さん?」
「…そのいい方可愛いな、もう1回」
「気持ち悪いよ、ほらできたから座って」
料理を運んでいるとインターホンが鳴った。
舌打ちをして来客者を確認しに行く尊。
相当お腹がすいていたのね。
しばらくすると、朝からテンションの高い楽とその後から不機嫌MAXの尊。
朝から元気なこと。