真愛
交わる気持ち。
「ん……?」
目を開けると、いつもの尊といるマンションだった。
朝、尊を見送った後、睡魔に負けて眠ったんだっけ。
昨日は本家から帰った後、すごく大変だった。
私が応えてくれたのが心底嬉しかったんだろう。
キスをしまくられた。
ほんとに数え切れるような次元じゃない。
寝る時はずっと抱き締めてくれてて。
起きたらキス。
出る前にもキス。
幸せすぎて幻に思える。
「よし、家事頑張ろ」
洗濯物をして、買い物へ向かう。
また心配される恐れはない。
「なーーーつーーーーんっ!!!」
雪乃を同行させることを条件に許してもらった。
俺が守れない間は雪乃に守ってもらう…らしい。
子供に戻った気分。
ほんと過保護だよね。
「ふふふ、なーつんと久々のお買い物♪」
「テンション高いわね。いつものことだけど」
「そりゃ高くもなるよ!!ずーーっと尊さんと一緒なんだもーん…」
ぷくっと頬を膨らませる雪乃。
可愛い、とてつもなく。
「怪我は?もう大丈夫そう?」
「痛みも引いてるし、生活に支障はないよ」
すぐに運んでくれて、処置してくれたみんなのおかげね。
今になって、人との絆の大切さを感じさせられた。
「ね、ついでに洋服とかも見て回ろうよ!」
「仕方ないわね、いいよ。お家にいてもすることないし」
「やったー!!ふふ、なーつんとデート♪♪」
ルンルンしてスキップまでする雪乃。
……完全に子供だ。
ほんとに妹みたい。
優しく頭を撫でると、ん?と可愛い笑みを見せる。
雪乃が私に出会ってくれてよかった。
「何でもないよ」
「えー、なにーっ?教えてよーっ!」
この幸せが、続くといいな。