真愛
そんな顔、させたいわけじゃないの。
後悔させたいんじゃない。
こうやって苦しめてるのは…私。
過去に縛っている私。
「悔やんでも…過去は戻らない」
私の言葉に反応するみんな。
じっと言葉の続きを待っている。
「でも、未来は変えられる。自分のやり方で変えられる。もう……終わったことなの。だからもう、過去に囚われないで。これからはもう、大切なものを見失わないで」
もう、前に進まなきゃね。
苦しみを、悲しみを。
味わったのは私だけじゃなかった。
みんな同じように苦しんできた。
自分だけが辛い、なんて被害者ヅラしたくないもの。
「もう…傷つけ合うのは終わりにしよう?」
もう十分だよ。
お互いたくさん傷ついた。
苦しんできたの、もういいよ。
だからもう、終わりにしよう。
「な、な……」
「前に、進もう」
ゆっくり尊を振り返り、にこりと笑った。
すると尊も同じように穏やかに笑う。
「前に進むことを支えてくれる仲間が、私たちにはいるでしょう?だから…仲直り」
私は5人をまとめて抱き締めた。
するとみるみる5人の瞳から涙が溢れて、地面にシミを作る。
「ふっ…く、うぁぁあ…!!」
「なっ、ちゃ…なっちゃあ……!!」
おかえり、あの日の聖藍。
偽りは…もういらないね?
みんななら、きっと大丈夫。
未来に向かって歩き出せる。
次こそ胸を張って祈ろう。
「みんなが笑顔でいられますように」