真愛
人間なんて所詮そんなもの。
別にずっと一緒、なんて期待してなかったけれど。
少し…寂しく感じた。
それでも変わらず、家は冷めて。
母は男を取っかえ引っ変え。
「アンタもその汚い身体売って、少しは金を稼いだら?アンタを買う物好きなんかいないと思うけど」
そういって皮肉に笑う。
そしてまた、男に媚びる母を見続ける。
目を背けるように私は自分の部屋へと逃げ込んだ。
目を閉じ、布団にくるまっているとドアがノックされた。
……母ではないことは確か。
だって、あの人は私がいる階には来ないから。
私と同じ空気を吸いたくないらしい。
ってことは、相手の男の人…。
警戒しながら鍵も開けずに話しかける。
「何の用ですか」
「少しお話がしたいんだ。ここ、開けてくれないかな?」
「嫌です。知らない人は部屋に入れたくないです」
「彼女に暴力、振るわれてるんだよね?」
…何でそれを…?
あの人は口が裂けてもそんなことはいわないはず。
嫌いだと罵ってもそんなことはいわない。
その証拠に今まで男にバレたことがない。
私の体のアザを見て察したのかも。
ならもしかして…助けて、くれる?
私はわずかな希望を信じて鍵を開けた。
ーーーそれが罠だとも知らずに。
「開けてくれてありがとう。彼女は下で寝てるから安心して?」
「…はい。気づいてたんですか?」
「薄々ね。体にもアザがあるんだろう?良ければ見せてもらえないかな。ちゃんとこの目で確かめたい」
私は少しためらいながら、服を脱いだ。
すると目の色を変え、私をベッドに押し倒した。