真愛
「よし、なーつん!!」
「え、な、なに?」
急に大声を出した雪乃に驚きつつも返事をする。
「今日はパーっと盛り上がるよ!!買い物もたくさんしよう!ね!!」
「え、う、うん?」
「まずはあのモールから!!」
私の手を引き、ドンドン先を歩く雪乃。
辛気臭いのは嫌いな子だからね。
私も変なことは考えないで、今を楽しもう。
そう心に決めて、ショッピングを楽しんだ。
日が暮れ始めた頃、お腹も空き始めたこともあり、雪乃とマンションへ帰った。
今日はカードキーを忘れずに持っている。
まぁ、この間作ってもらったんだけど。
「わ、まって、すっごい大きいお家!!」
「すごいよね、私も最初驚いたもん」
「勝手にお邪魔しちゃっていいの?怒んないかな?」
「いいよいいよ、私がいれたんだし。それに…今日は帰ってこないと思うし」
日が変わった頃にしか帰らないんだろうな。
…女の人といるのかな。
「なーつん…でも、やっぱり浮気なんかじゃないと思うよ?本当に仕事が立て込んでるだけかもしれないし…」
私はそれに答えずにソファに座る。
「それに、尊さんはなーつんを悲しませる事はしないと思うな」
「そう、かなぁ…」
少しボーッとしていると、マンションのドアが開いた。
尊かと思って玄関に走っていくと、そこに居たのは違った人だった。
「あー…ごめん、尊と思った?」
バツが悪そうにいう楽。