真愛


雪乃はニコッと笑って挨拶した。

「初めまして、奈々の友達の雪乃です!」

「雪乃ちゃん?可愛い名前〜っ!僕は瑠依!よろしくねっ!」

2人とも天使のような微笑みで挨拶し合うから見てるこっちが癒される。

天使とはまさに2人のことを指すんじゃないか。

「よかったら、近くにスイーツカフェあるし、行く?」

私が提案すると、2人は鼻息を荒くして賛成した。

このスイーツカフェは最近オープンして、めちゃくちゃ美味しいって有名らしい。

ちなみに雪乃情報。

元々このお店に行く予定だったしね。

護衛の方には隣の席で待機してもらうことにした。

「若姐さん、本当に俺ら入っていいんスか…?」

「“若姐さん”?」

私が黒い笑みを浮かべると、慌てて奈々さんといい直す。

何だかこの呼び方だと距離が遠く感じるってことでさん付け。

呼び捨てでいいっていったけど、それはできないと却下された。

尊がいうには、立場というものがあるらしい。

それが決まり事なのかもしれない。

自分たちの注文だけでなく、ちゃんと護衛さん達の注文も忘れない。

コーヒーが自分達のところに置かれて、すごい勢いでこちらを振り向く。

「な、奈々さん…」

「こ、こ、これは……」

「今日1日護衛してくれたお礼です。忙しい中、私達のワガママに付き合わせちゃったので」

「いやいやいや!!これは若からいいつけられてるので…」

「私がご馳走したいんです。どうぞお構いなく」

そういうとボロボロと涙を流しお礼をいわれる。

イカツイ人が涙を流すと、なんだか面白い…w





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