真愛



「ねえねえねえ!!ここのショートケーキ、めちゃくちゃ美味しいよっ!」

キラキラした目でいう瑠依。

久々に明るい表情みた。

それが嬉しくて自然と笑顔になる。

「あ、そういえば!なーつん、プレゼントはもう決めた?」

「え?プレゼント?」

記念日…でもないし、なにか特別な日がある覚えもないし…。

あ、椿さんと司さんの結婚記念日とか?

「もーうっ、聞いてないの!?ったく、尊さんもちゃんといえばいいのに…」

独り言のように怒った口調でブツブツいう雪乃。

怒らせちゃった?

「はぁ…尊さんから聞いてないみたいだけど、もうすぐ尊さんの誕生日なの!」

「へ?誕生日?」

「そう!あの人は自分のことは無関心なんだから…」

誕生日なのかぁ。

うーん、何をあげよう?

お高いものをあげたいけど…今あるお金で足りるかな?

「瑠依、男の人って何もらったら嬉しい?」

「んー、僕は甘いものかなー?でも尊さん甘いもの好きそうじゃないしー…食べ物だと残らないから、何か形に残るものは?」

「形に残るもの…っていっても今持ってるお金で足りるのかなぁ…」

「あ、じゃあこういうのは?」

瑠依がコソコソと耳元でいう。

……うまくいくのかな。

「過保護な尊の事だからなぁ…うまくいくかどうか…」

「大丈夫!いざとなったら私がフォローする!実行してみようよ!」

「うーん…そうね。尊の誕生日っていつ?」

「2週間後だよ!それまでにいい物が見つかるといいね♪」

「じゃあさ、これからプレゼントの下見に行こうよ!そしたらすぐ決めれるでしょ?」

「そうと決まれば行動!ほら行くよ!」

雪乃と瑠依に連れられ、色んなショップをハシゴ。

洋服もいいけど、私のセンスじゃダサくなっちゃいそう。

それにいつもスーツだからなぁ。

アクセサリー…はちょっと違う気がする。

指輪は仕事の時邪魔になりそうだし…。






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