失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
「……あはは。」
なのに……
上手く言葉に出来ないでいれば、
「でも、良かったよね!好きな人と付き合えるとか、幸せじゃんー!」
……そう言って笑うなっちゃんを見て、
「なっちゃんは、彼氏が好き?」
「へ!?やだ!!恥ずかしいんだけど(笑)!」
言葉にしなくても充分わかる態度。
いいな……。
自分の好きな人が自分を好きか……。
本物の恋愛をしてるなっちゃんが、
キラキラしてみえる。
そんな私に、
なっちゃんのお喋りは止まらない。
「でも、陽汰君も陽ちゃんが好きなんだもんね!!いいよねー!あんなカッコイイ彼氏とか!!」
「あはは、まぁ、
そ、だよね、カッコイイよね……」
……。
……。
「うん、朝とか、
陽ちゃん居なくてめっちゃ探してたし、
一時間目の休み時間とか……(笑)」
「……何?」
「笑って、俺が好きだから陽イジメないでね?って、優しく女子に言ってたよー!!
あんなのメロきゅんだよね(笑)!!」
……。
……何、それ。
「女子とか、めっちゃキャーキャー言ってた!
でも、本当に陽汰君あんなのサラッと言えるとか、すごいよね(笑)」
なっちゃんのおしゃべりは一方的だったけど、
それでも、
クラスにいないで食べるお弁当は、
本当にありがたかった。