失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
優しい嫌がらせ
放課後。

人がまだ残る教室で、
学級日誌を、書く。


帰り際、何人かの男子に



「いいねー!!」とか茶化されたけど、

和泉は笑って、


「だろ?」って、流していた。




「俺、ちょっと用あるから、待ってて。」



そう言って立ち上がった和泉に、



「あ、いいよ?私、書いて出しておくし。」


本音を言えば話たい事が、ある……
でも、
そう言われれば、

引き止めるのも嫌なので、

そう伝えれば、



「……お願い。陽、ここで待ってて。」




そう小声で顔を近づけながら

頭にぽんと和泉の手のひらが置かれ、

ふと置かれた手から和泉の柔らかさを感じ、
朝の事を思い出す。
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