失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
大嫌い。

大嫌い。

大嫌いって、言いたいのに……




言葉が出ない。
なので、そのまま和泉を睨む。




「お前さ、それ。止めろって。
言われたら、誰にでもすんのかよ。」




誰にでも、

そうだよ。



私は簡単にころころ揺れる馬鹿なんだよ!!



なんなの。

なんなのよ!!!


溜めていた涙が零れそうになりながら、




「嫌い。」

やっと出た言葉……。



和泉なんて大嫌い。

勝手に彼氏とかになって、

感じ悪くて、

なのに優しくもして、

そして、こんなにも残酷な事を言う。




たった2日でころころ揺れる自分に

突き刺さる、和泉の言葉。


なのに、
私の感情なんか無視するように、


涙ぐんでいる私に
和泉の腕が伸ばされ、



髪の毛の先を手で掴み、弄ぶ。
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