失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
湊太はずっと奈央が好き。

奈央も湊太が好き。

こんなのずっと昔からそうだった。

それでもくっつかない湊太に、




「早く告って付き合えばいいだろ?」

「まだ奈央、中学だしな。同じ中学の時はさすがに……言えなかったけど、まぁ。高校受かったら、言うし。」




まぁ、な。

中学の時点てそれなりに
モテるのは自分達で自覚してる。



それでなくても、奈央は
俺達の幼なじみという事で嫌な思いもした。

女子のあの集団の力は、
男が思ってる以上に怖えーし。


だから、俺達も奈央の事はそれなりに気遣いつつ過ごしてきた。




俺に、奈央への恋愛感情なんか
全くないけど、

それでも小さい頃から一緒の幼なじみだし、
あいつを大事に思う気持ちはあったから。


湊太もこんなに時間をかけて、

本当に可愛いって思ってる奈央には、
可愛いと伝えず、

これまでずっと大事にしてきたんだ。


奈央を思う湊太の気持ちに、
青葉が入り込む隙はない。



そして、2人がこの先も上手くいくように俺だって望んでる。


だから、邪魔すんなよ?



って、まぁ。

青葉だけじゃ、ないし、
それは、他の女子だって一緒な事だし。


そんな事を思いながら、

一番奥の本棚の端に座って、
本を流し読みしてれば……




ガラガラってものすごく乱暴に

ドアの開く音。
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